「賭けをした男が牛の体内にもぐり込む。 もぐり込んでみて、結局そこに居すわることにする。牛の内部は暖かく柔らかだ。 とても暗いけれど、皮膚を通って入ってくるわずかな光で何とかやって行ける。食べ物は問題ない――牛乳ならいくらでもあるのだ。」
#BarryYourgrau 『一人の男が飛行機から飛び降りる』
バリー・ユアグローなみに「なんじゃこりゃ」な小説と言えばエリック・マコーマック『隠し部屋を査察して』であることは自明ですが、書き出しを見るとそこまで「なんじゃこりゃ」ではないのね。わかりやすい「なんじゃこりゃ」ではなくて、「これからなにが語られるんです?」という予感にゾクゾクしちゃう。